第1章 大好きな白
葵「謙信様」
葵は謙信をふわりと抱きしめる。
謙信「葵」
葵「謙信様。私は謙信様の物ですよ?
藍を産み育てたのはあなたの子だからです。
それ以前に私はあなたしか受け付けないのを、
あなたもよく知っているでしょう?
私はあなたに出会うため、
あなたといろんなあいを、
重ねるために生まれた夢魔です。
あなたが死ぬ時まで私はそばにいます。
あなたの死ぬ時が私の死ぬ時です」
謙信「・・・ああ・・・そうだな、葵」
謙信は葵にゆっくりと顔を近づけた。
葵も静かに瞳を閉じる。
二人は仲直りの口づけを交わすと、
静かに見つめあい、
どちらかとともなく、
その身を褥へと沈めていく。