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軍神と夢魔~番外編~

第1章 大好きな白


葵「謙信様・・・」
謙信「藍をその腹に宿している間も、
   おまえのほとに注ぎ込んで、
   俺だけのお前にしたくてしょうがなかった。
   半分は俺の血であっても、
   藍という別の者が、
   お前を独占しているのは耐えがたい。
   ・・・娘でこれだ。
   息子などできた日には、
   俺はどうなるんだろうな・・・」
謙信はまだ見ぬ息子の存在を想像してため息をついた。

姫におめでとうと言われても、
春日山の城主として、
息子を産んでほしいという声があるのを、
謙信は気づいていた。

だが娘である藍にすら、
自分に似ているという理由でこれなのだ、
息子ならばもっとその悋気は、
今以上にひどくなるだろうと、
謙信はそう確信していた。

家族の愛を知らぬ葵が、
必死になって産み育てているというのに、
彼女に自分が愛したものの子を、
愛せぬわけはなかろうなどと、
そんな言葉を言いながらいざ生まれてみれば、
自分の方がこの様だと謙信はそんな風に思っていた。
せめて葵に似ていれば、
自分はこんな嫉妬にかられることは、
ないのだろうかと・・・
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