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軍神と夢魔~番外編~

第1章 大好きな白


子の名はすぐに決まっていた。
愛、会い、逢いと、
二人の縁にはいろんな「あい」があり、
これからもそんな「あい」を重ねていくという意味で、
藍と名付けていた。

そんな藍は葵の胸に吸い付いていた。
そんな様子を謙信はじっと見ている。
乳を与えるのに恥ずかしいので、
部屋を出ていてくださいと、
葵は謙信に何度も言った。

しかし謙信はそれに対し、
俺は夫なのだから恥ずべき必要はないだろう。
俺はそれの父親だぞ。
それは元は俺の物だから、
見るのに何の問題もないだろう。と、
いろいろ理由をつけられて居座られており、
葵ももう諦めていた。
謙信がこういうとき言っても聞かないのは、
付き合いの上ですでに察し済みだった。

謙信「・・・葵」
葵「はい?」
謙信「俺にもよこせ」
葵「・・・・・・?」
謙信「何を呆けておる。俺にもそれをよこせ」
葵は謙信の言葉に首をかしげるが、
やがてその意味を理解したのか、
その頬が羞恥で赤く染まっていく。
そして次の瞬間、
春日山城にある一つの乾いた音が響いていた。
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