第2章 安土と越後の姫
佐助「謙信様はやはりすごいですね」
謙信「何だ?急に」
佐助「いえそう思っただけです」
超常現象にすら打ち勝つ軍神の愛の執念に、
佐助はただただそう思っていた。
ああここまでされたら、
これを知ってしまったら、
誰も謙信と葵が結ばれるのを、
止められはしないじゃないかと・・・
だって自然すら二人を引き裂けないんだから、
むしろ離れるなとそう言っているんだから・・・
謙信と葵の見えない絆を、
佐助は大きな安堵と、
少しの寂しさと疎外感を感じたが、
それを誰にも言うことはなく、
謙信、葵らとともに、
その身を越後へと帰す。
しばらくのち、
謙信はしぶしぶ条件を了承すると、
葵と婚姻の儀を結び、
二人は謙信が死ぬその時まで、
ずっと寄り添い過ごしていくのだった。
おしまい