第2章 安土と越後の姫
佐助「葵さんが触った瞬間消えた?」
三成の言葉に佐助は驚いていた。
葵も五百年後の者だ。
自分とは違う夢魔という異質な存在にしても、
来た時代は変わらない。
もしワームホールが発生したなら、
同じ五百年前の世では異物でしかない、
彼女がワームホールに触ったなら、
普通は飲み込まれるものではないのかと・・・
三成のいうその現象は、
まるで葵を五百年後に、
帰すまいとしているようではないかと・・・
謙信「佐助どういうことだ?」
佐助「俺にもよくわかりません。
調べてみないことには。
ただ分かっているのは誰も、
五百年後に行かなかったということだけです」
謙信「そうか、五百年後に行き、
葵を呼び戻す手間は、
省けたということだな」
謙信は笑みを浮かべながらそう話した。