第6章 上杉の忍び(謙信ED)
謙信「そうか・・・」
忍「謙信様こそ・・・大丈夫ですか?」
謙信「なぜそう思う」
忍「なんだか・・・お辛そうなので・・・」
謙信「・・・気にするな」
謙信はそう言って誤魔化していた。
雨で体が冷えたところに、
忍に抱き着かれたことで、
久しく遠ざけていた、
男の本能が目覚めかけていたのだ。
だがおそらく男がらみで、
何かがあったであろう忍に、
そのことを告げるわけにはいくまいと、
謙信はただ耐えていた。
忍「でも・・・」
忍がそうつぶやき、
謙信の様子を覗き見ようとした。
しかし部屋の床は自分と謙信が濡れた痕で、
滑りやすくなっていた。
忍は転び、
謙信の下半身にうっかり触れてしまう。
謙信「――――っ」
忍「―――っ」
謙信は布越しに男の象徴に触れられたことに、
忍はすでに立ち上がり始めていた、
謙信に触れたことに、
同時に声にならない悲鳴をあげる。