第6章 上杉の忍び(謙信ED)
外で雷の落ちる音がした。
忍「・・・っ!?」
雷の音に驚き忍は、
思わず謙信に抱き着く。
謙信「・・・!?」
謙信は忍にふいに抱き着かれ、
その身体の柔らかさに動揺をする。
しばらく忍は謙信に抱き着いていた。
やがて雷がおさまると、
忍は自分の行いに気づき、
慌てて謙信から身を離した。
忍「ご・・・ごめんなさ・・・」
謙信「いや・・・
お前もあのような反応をするのだな・・・」
忍「む・・・昔は平気だったんですよ・・・
でもここにきてからだめで・・・」
嘘はついてはいない。
雷はワームホールのきっかけに、
なるかもしれないものだ、
五百年前の世界、
あるいは四年前ここに来たばかりの頃なら、
雷など怖くはなかった。
だが戦国の世にきて、謙信たちと親しくなった今、
雷は自分から謙信たちを奪うものでしかない。