第6章 上杉の忍び(謙信ED)
謙信「おい」
話の腰を折られ、謙信は眉をひそめる。
しかし忍の様子がおかしいことにすぐ気づいた。
忍の身体が震えていたからだ。
謙信「おい忍。身体が」
謙信と違い元は五百年先の世での、
恵まれた生活を享受してきて、
かつ女である忍の身体は、
雨に濡れすっかり冷え切っていた。
忍「すいま・・・くしゅ」
このままでは、
風邪をひくのは目に見えている。
謙信は忍の着物に手をかけた。
忍「謙信様!?何を」
房事の話をされたタイミングで、
着物に手をかけられては、
忍はパニックを起こしていた。
謙信「黙れ。濡れたままでは風邪をひく。
俺に脱がされるのが嫌なのであれば、
黙って自分で脱げ」
忍「あの・・・恥ずかしいので、
背を向けていただけませんかね?」
謙信「俺に命令するのか?」
忍「もう・・・いいです。
見苦しいもの見せたくはないんですが・・・」
忍はそういうと濡れた着物を、
しゅるりと脱ぎ襦袢姿になる。