第6章 上杉の忍び(謙信ED)
謙信「しかしよかったなぁ?忍びとしては役立って?」
忍「本当です。
城から身寄りもないのに、
追い出されるかと思いましたよ」
謙信「それもだがそれだけではない」
忍「何がですか?」
謙信「知らぬのか?忍びとして役立たなかったら、
最終手段をお前に使うつもりだったのだぞ?」
忍「最終?忍びが、
最終手段じゃなかったんですか?」
謙信「忍びももう一つの方も、
どちらも最終に変わらぬがな・・・」
忍「なんですか?」
謙信「房事といえば分かるか?」
忍「っ・・・それって、
身体使う話ですか・・・?」
謙信「そうだ。信玄が好みそうな話だ」
忍「うわぁ・・・
忍びの素質が開花してよかったです」
謙信「そうだな。
俺は女を遠ざけておるが、
俺以外の家臣の士気の向上に、
そういう世話をさせるのは、
咎められんからな・・・」
女を連れ込むなとは言いたいが、
そういう欲について謙信は咎められなかったからだ。
女の忍びも手段として房事を使わないわけではないが、
情報収集のために自らの意志で行うのと、
性のはけ口として無理やりさせられるのでは、
違うだろうと謙信はそんなことも考えていた。
忍「そうですよね・・・くしゅっ」
ふいに忍がくしゃみをする。