第6章 上杉の忍び(謙信ED)
謙信と忍は囲炉裏の火で暖を取りながら、
いまだやまぬ雨に対する苛立ちを隠すかのように、
昔話をしだす。
出会った日のことの話を。
謙信「しかしお前は本当に変わった女子だな」
忍「そう・・・ですか?」
謙信「普通の女子は忍びの仕事などせぬぞ」
忍「だって仕方ないじゃないですか。
安土の姫みたいな針子できないんですから」
謙信「ああ、あれはひどいものであったな」
出会った日、謙信を救った佐助と、
忍に褒美をやるといったあの日、
佐助は忍びとして生きることを即決したが、
忍はただ春日山城で、
働くことだけを希望していた。
そのため謙信は女嫌いということもあり、
忍には適当に、
針子や女中の仕事でもさせるつもりだったのだが、
あまりにもひどい有様に謙信は見かね、
佐助と同じ忍びとして彼女を使うことにしたのだ。