第39章 謎は湯煙に消える(武田信玄)
信玄「泣かせるために、
連れて来たんじゃないんだけどな」
忍「だって・・・私何も知らなくて・・・」
信玄「うん・・・」
忍「信玄様のこと・・・
全然信じてあげられなくて・・・
病気で・・・湯治だと思って・・・」
信玄「そうか・・・言ってあげればよかったな・・・
姫をそんなに心配させるなら」
忍「信玄様は悪くないです・・・
私が信玄様を、
信じてあげられなかったから・・・」
信玄「いや・・・信じてもらえないようなことを・・・
してきたのは俺だ。姫のせいじゃない・・・
姫・・・俺を喜ばせたいなら、
笑ってくれ・・・
君の泣き顔は俺の胸に痛い・・・」
信玄はゆっくりと、
忍の瞼に口づけを落とす。