第38章 夜のタカは天を舞う(織田信長)
忍「だめだ・・・
本でも読んで、
気を紛らわせよう・・・」
そんな気分で書庫に行くと三成がいた。
三成「おや忍様。
あなたも読書ですか?」
忍「三成君!
まあそんな感じかな・・・」
三成「顔色が優れないようですが、
大丈夫ですか?」
忍「え?だ・・・大丈夫だよ。
ちょっと寝不足なだけで」
さすがに信長様との夜の話なんか、
いえないよな・・・
そんなことを思いながら、
忍は答える。
三成「それは大変ですね。
家康様のところへ行かれたほうが・・・」
忍「だ・・・大丈夫だから・・・」
三成「そうですか・・
しかし忍様に何かあられたら、
信長様筆頭にみな心配されますよ?」
信長の名前がでた瞬間、
忍の体がぴくりとこわばる。
三成「もしや寝不足の原因って、
信長様ですか・・?」
忍「うん・・・」
三成「そうですか・・・あっ・・・
そういえばこんな本があるのですが、
お二人の役に立ちませんかね?」
三成がそういって、
渡してきた本は春画であった。
忍「こ・・・これ・・・!?」
三成「政宗様に渡されたのですが、
私にはさっぱりだったので・・・
なんでも男女のかけひきの本だそうです。
それならば私が読むよりも、
忍様と信長様の方が、
お役にたつかと・・・」
忍「う・・・うんありがとう・・・
大事に読むね・・・」
忍は顔をひきつらせて、
その本をうけとった。
悪気はないだけに断れなかったのだ・・・