第37章 虎の贈り物(真田幸村)
幸村「お前張型が、
何か知ってんのか?」
忍「張型?」
幸村「こいつのことだよ」
忍「し・・・知らない。
そんなの知らない!!」
幸村「ふうん?じゃあなんで、
そんなに焦ってんだよ。
本当は知ってんだろ?」
忍「“張型”は知らないもん!!」
幸村「張型はって、
お前別のは知ってんのか?
使ったことは?」
幸村は眉をひそめながら、
そう告げる。
忍「その・・・五百年後にもね・・・
そういうのあるから・・・
名前とか形とか微妙に違うけど」
幸村「五百年後の世界にもこんなのあんのか・・・
で、使ったことは・・・いやいいわ。
ほかの男の話とか聞きたくねえ」
幸村は忍の過去の男に、
嫉妬をしそうになり、
大人の玩具のことを、
聞くのをやめた。
幸村自身、忍が、
初めての相手ではないのだから、
同じ大人の女である忍が、
五百年後の世界で自分以外の男と身体を重ね、
そういう玩具を使っていたとしても、
文句をいう資格などないのだろうが、
それでも自分の知らない忍を、
その男が知っていると思うと、
いい気分はしなかった。