第37章 虎の贈り物(真田幸村)
その夜、
幸村と忍は、
褥の上で向かい合っていた。
久しぶりの逢瀬で、
不思議とお互い、
そういう気分になっていた。
だが忍は、
昼間の信玄の言葉を思い出していた。
忍「ねえ幸村・・・」
幸村「なんだよ。
やめろとか聞かねえぞ」
忍「そうじゃなくて・・・」
幸村「どうした?」
忍「その昼間・・・信玄様が・・・」
幸村「おい、何もされてねえだろうな?」
忍「さ・・・されてないよ。
その幸村とうまくいってるのか・・・
って聞かれて、
あとこれ・・・」
忍は幸村に、
信玄からの贈りものである箱を見せる。