第36章 苦き夢と甘き現(徳川家康)※閲覧注意
おまけ
(政宗の回想)
忍「ねえ政宗!!」
政宗「何だ?」
忍に饅頭を差し入れたあと、
政宗は踵を返していた。
用事は終わったとばかりに、
だが忍は、
そんな政宗に用事があると、
逆に自分を呼んだのだ。
忍の用事は何だろう、
政宗は好奇心半分、
嫌な予感半分で、
忍からの言葉を待った。
忍「あのね・・・家康のところに、
これから行こうと、
思うんだけど・・・」
忍が恥ずかしそうに告げた言葉に、
政宗は目を見開いた。
忍のその姿は、
いつも城下で見てきた女と、
同じだったからだ。
自分や秀吉や・・・三成が、
ほかの女から多く向けられてきた、
恋慕の視線だ。