第36章 苦き夢と甘き現(徳川家康)※閲覧注意
少しして、
お茶の入った湯呑みや、
空の皿、急須をお盆に乗せて、
家康が部屋に戻ってきた。
忍はそのタイミングで、
風呂敷をほどくと、
中から漆塗りの箱が出てきた。
その箱のふたをとると、
中からは政宗の言ったとおりに、
小さい饅頭が二つほど入っていた。
忍「ほ・・・ほら二つ入ってたよ」
家康「そうだね。
取り合いとかしなくてすんでよかったね」
家康は忍にそういいつつ、
その饅頭の数に何とも言えない気分になる。
まるで忍が誰かとすごすのを、
見越していたかのようだと・・・
政宗がどんな心づもりで、
その数の饅頭を、
忍に渡したか知らないが、
二つということは、
忍が誰かと一緒に食べると、
そういうのを想定しているようだと・・・