第36章 苦き夢と甘き現(徳川家康)※閲覧注意
忍「な・・・っ・・・
知りません。
あとこれ光秀さん宛の文です。
やましいのは、
光秀さんの方じゃないんですか?」
忍は光秀に、
文を押し付けるように渡す。
光秀「やましいか、
誉め言葉として受け取っておこう」
忍は文を渡すと、
踵を返し、
家康の部屋を出ていこうとした。
光秀「忍」
忍「なんですか?」
忍は、
光秀の呼びかけに振り向く。
光秀「とるに足らん頭の小娘に、
一つだけ忠告をしておいてやる」
忍「忠告?」
光秀「やましくない男など、
この安土にはいないとな」
忍「どういう・・・ことですか?」
光秀「分からないならそのままでいろ。
だがいつか分かる日が来る。お前にもな」
光秀はそういうと、
忍を家康の御殿から追い出した。