第4章 君に捧げる恋歌(今川義元)
謙信「佐助、お前は何か知っているのか?」
謙信は佐助の方を向きそう問いかける。
佐助「ええ、俺の故郷の歌です。
男女の恋を歌った曲なんですが・・・
義元さんはなぜそれを・・・?」
謙信「お前が教えたのではないのか?」
恋の歌という言葉に、
謙信は眉をひそめながら、
なおも佐助に問う。
佐助「いくら俺でも男に、
恋の歌を教える趣味はありません。
俺以外にこの曲を知っている人というと・・・」
佐助がそう思った時だった。
ふいに襖があき、
ひとりの少女が現れる。
義元「君!?」
少女「!!」
襖から現れたのはあの少女だった。
義元も少女も思わぬ形で、
思わぬ場所で会い、目を見開いていた。