第4章 君に捧げる恋歌(今川義元)
義元「君は誰・・・?人魚姫なのかい?」
義元の言葉に少女は目を見開く。
少女「違います。
でも・・・言えません」
義元「そう・・・また会える?」
少女「え?」
義元「また会いたいんだ。
君の歌をもっと聞きたい」
少女「・・・この出会いを秘密にしてくれるなら、
この時間ここにきてくれるなら、
あなたのために歌いましょう」
少女は何かを考えた後、
義元にそう告げていた。
義元「じゃあ約束だ・・・
でも俺は毎日ここに来られないかもしれない。
だから君も毎日ここに来なくてもいい。
君が歌いたいと思ったときに、
今までと同じようにその歌を歌ってほしい。
俺は君の歌を聞きにここに来るから・・・」
少女「はい、約束します」
少女はそういうと義元の前に小指を差し出した。
義元は意味が分からなかったか、
少女のように小指を差し出す。
二人の指は絡み合っていた。