第32章 兄の皮をかぶった狼(豊臣秀吉)
秀吉「あんま騒ぐな。
見つかるとまずいだろ」
見つかったところで、
房事と思われて、
気を使われるだけだろうが、
あまりほかの者に、
この騒ぎを知られたくは、
なかった秀吉は、
忍の唇に人差し指で触れる。
忍はこくんと、
うなずくだけだった。
忍「ワンちゃん・・・
いなくなってる・・・?」
忍はふと、
先ほどまで部屋にいた犬が、
いなくなっていることに気づく。
秀吉「馬鹿、犬はさっきからいるだろ?
お前の上に」
忍「え・・・あのワンちゃん・・・
って・・・」
秀吉「ああ俺だよ」
言わずともよかったのだろうが、
忍がまた、
同じことが起きた時に、
今度は別の男相手にも、
同じことしかねないと、
秀吉はそう思ったのか、
忍にそう真実を告げる。
忍「・・・秀吉さんの助平!!」
忍は犬相手に、
してしまったことを、
思い出し顔を赤らめ、
文句を言うのがやっとだった。