第1章 君の色(石田三成)
数刻後
忍「三成様・・・」
忍は三成の御殿で、
湯あみをし、
新しい着物をまとっていた。
三成「とてもよくお似合いですよ」
忍「あの・・・
こんな高そうなの悪いです・・・」
三成「遠慮は無用です。
先ほどもいいましたが、
あなたの恋人を助けられず、
あなたの身を危険にさらしたお詫び・・・
とでも思っていてください」
忍「・・・・・・っ」
恋人を助けられず、
三成のその言葉は、
忍に彼がもうこの世にはいないという、
その事実だけを突き付けてきた。
三成「すみません・・・
あなたにはお辛いですよね」
三成はそういうと忍の身体を、
自分の胸元に引き寄せ、抱きしめていた。