第1章 君の色(石田三成)
三成「ふう。もう大丈夫ですよ」
三成はもとの優しい笑顔を浮かべ、
忍に声をかけた。
忍「・・・殺したの?」
三成「あの男たちのことですか?
いえ、謀反とかの可能性もあるので、
彼らの身は光秀様とかに明け渡します」
忍「そう・・・」
三成「それよりもかけつけるのが、
遅くてすみませんでした。
もう少し遅ければ大変なことになっていました。
それに早ければ・・・」
三成は傍らに転がる、
仲間だった男の躯を見つめていた。
忍「・・・・・・っ」
忍もその亡骸を見つめ、
必死に涙をこらえているようだった。
三成「ひとまず私の御殿へお連れします。
湯あみをして、
新しいお召し物を用意しないと・・・」
忍「はい・・・」
三成の言葉に、
忍は震えるように、
かすかに返事をするのがやっとだった。