第29章 過去と未来の交わり(猿飛佐助)
その夜
佐助「お邪魔します」
忍「ど・・・どうぞ」
忍の部屋に佐助が訪れる。
夜分に忍を、
出歩かせるわけにはいかないと、
佐助の方が彼女の部屋を訪れると、
約束していたためだ。
佐助「まさか信玄様みたく、
夜這いを経験するとは、
思わなかったな」
佐助は真顔でそう言う。
忍と恋仲にならなければ、
経験することは、
一生なかっただろうと・・・
忍「う・・・うん」
夜這いという言葉に、
忍は身体を強張らせる。
ああ、今から、
自分と佐助はそうなるのだなと、
いやでも意識をしてしまう。
佐助とつながったのは、
これが初めてではない。
不安に思う必要はないはずだが、
やはり夜這いとその行為を、
意識させられるのは恥ずかしい。