第3章 犬と猿・・・?(豊臣秀吉)
秀吉「・・・好いた男でもいたのか?」
忍「・・・いたって言ったらどうするつもり。
今更私に帰る場所などないというのに。
もうあなたの妻として、
身も心も捧げるしか道はないというのに!」
秀吉「好きな男がいるなら、
婚姻の前に逃げればよかっただろ。
あんだけ好き放題してたんだから」
忍「私の好きな人は残念ながら、
私のこと嫌いみたいですからね。
・・・私の本性を一発で見抜いたくせに、
肝心の気持ちには気づきもしないんだから」
秀吉「・・・ん?」
忍の言葉に秀吉はある可能性がよぎり、
忍を見つめ返した。
そして笑顔を浮かべると忍の頭をなでた。
秀吉「その男は俺も知っている奴か?」
忍「ええそうね」
秀吉「その男はさぞ悪い男なんだろうな」
忍「・・・人たらしで、
ろくでもない優男よ」
秀吉「その男は強いのか?」
忍「・・・・・・第六天魔王の右腕だし、
腕は相当立つんじゃない?
あっちは根性なしのようだけど」
秀吉「あっちが根性なしかどうか、
その身をもって体験させてやろうか?」
秀吉はふいに男の顔になると、
忍の小さな身体を褥の上に押し倒す。