第26章 変わる絆(今川義元)
子供「あの・・・」
義元「ん?男が目を、
覚まさないうちに逃げなさい。
礼ならいらない。
たぶんすぐ目を覚ますよ・・・
こいつ」
武器として半端な威力しか、
持たない鉄扇だ。
刀には遠く及ばない。
男が目を覚まさぬうちに、
子供に逃げろと、
義元は子供にそう語る。
子供「いえ・・・その男は金貸しです・・・」
義元「金貸し・・・?」
子供「はい・・・
自分の親がこいつから金を騙すように、
金を貸し付けられて不当な利子を・・・
親はあいつに・・・」
義元「穏やかじゃないね・・・
でもそういう事情なら逃げても、
また見つかる・・・か・・・」
子供「はい・・・」
義元は何かを考え込む。