第26章 変わる絆(今川義元)
義元「安土の器も美しいな」
義元はふらりふらりと、
安土の城下を見ていた。
義元「ん?」
ふいに義元の耳が、
喧騒を拾う。
??「どうすんだてめえ」
??「す・・・すいません」
義元「何の騒ぎかな」
義元が覗くと、
大きな男と、
小さな子供がいた。
男「なんだてめえは」
義元「俺からすれば、
君が誰なんだけど?」
男「うるせえ。
痛い目見せようとしただけだ。
兄ちゃんも、
痛い思いしたくなかったら失せろや。
それとも兄ちゃんが相手してくんのかい?」
義元「生憎様、男に相手されるつもりはないよ」
義元は鉄扇をとりだすと、
男の首筋に叩きつけた。
男「ぐ・・・」
義元「ふう弱い男で助かった。
手練れだったら危なかったな」
義元は鉄扇をしまいながら、
そうため息をつく。