第25章 初めの絆(毛利元就)
忍は慌てて、
店じまいをすると、
どこかから薬箱を持ってきて、
元就の腕に薬を塗り、
包帯を巻き始めた。
元就はその様子をじっと見ていた。
忍「と・・・とりあえず、
手当はしました。
待っていてくださいね。
今湯をわかします」
忍はそういうと、
どこかに向っていた。
元就「・・・不用心だな」
姿を消した忍に、
元就はそうつぶやいた。
みたところ自分と忍以外に人はいない。
素性を知らぬ男を家にあげるなど、
危機感がなさすぎるのではないかと、
元就は忍のことをそう思った。
元就「・・・やべ」
そんな時だった元就の身体に異変が起きる。
怪我と雨による体力消耗が、
元就の本能に子孫を残せと命令をしてきたのだ。
元就「こんな時にお前は元気だな・・・」
元就は主張し始めた自分の息子にあきれていた。