第25章 初めの絆(毛利元就)
ある夜、元就は腕を抑え歩いていた。
元就「しくじったな・・・」
立場が立場ゆえか、
敵に追われその敵は倒せたものの、
一撃をくらい、
腕から出血をしていた。
雨が降っていることは元就にとって、
幸なのか不幸なのかは分からない。
血の跡は流せてよかったのかもしれないが、
その雨は元就の体力をも、
奪おうとしていたからだ。
元就「くっそ・・・」
気づけば元就の足は、
あの飯屋に向っていた。
なぜかは分からない。
ただその時に、
元就の頭に浮かんでいたのは、
あの飯屋の少女の顔だったのだ。
忍「も・・・元就さん」
ちょうど店じまいだったのだろうか?
娘は外に顔を出し、元就を見た瞬間、
元就の身体を抱えると、
店の中へ元就をあげた。
近くで娘の甘いにおいが元就の鼻をかすめる。