第1章 君の色(石田三成)
どこからともなく矢が飛んできて、
一人の男の足元に刺さっていた。
浪人1「誰だ」
男の一人が焦って辺りを見渡した。
??「私からすれば、
あなた方のほうが誰なのですけどね」
忍「三成様!?」
忍は男の名を思わず呼ぶ。
三成「はい私ですよ・・・と・・・」
三成は持っていた弓を傍らに放り、
羽織を脱ぐと、忍の頭にかけた。
三成「すみません。すぐ済ませます。
しばらくその胸元と、
目元を隠していてください」
三成が忍にそう告げる。
忍は素直に、
三成の羽織で胸元を隠すと、
目をつむっていた。
三成「さて・・・白昼のこの狼藉・・・
見過ごすわけにはいきませんね」
三成は刀に手をかけていた。
浪人たちも刀に手を伸ばす。
三成「へえあくまで争いを望みますか・・・
いいでしょう。大切な者に手をかけたその罪、
その命をもって償わせていただきます」
三成は、後方支援型とはいえ、
秀吉の側近としても、
安土の武将としても秀でている男だ。
その辺の浪人が勝てる男ではない。
三成は一瞬で浪人たちを倒していた。