第24章 二匹の狼(真田幸村)※閲覧注意
幸村が驚いてその方角を見ると、
音の方向から、
自身の主君である武田信玄が現れた。
幸村「げっ・・・」
幸村はまずいとでもいうように、
慌てて忍の身を、
子種にまみれた自分の着物でくるみ、
自身のモノを手で隠した。
その行為にまったく意味はない上に、
子種にまみれた着物が、
信玄に何をしていたか、
教える結果になっているのだが、
忍の裸体を信玄には見せまいと、
焦った幸村は、
その事実に気づいていなかった。
信玄「げっ・・・とは失礼だな。幸」
信玄はそんな幸村の態度を、
気にするそぶりさえ見せず、
ただ笑顔を幸村に向けていた。
まるで何もかもお見通しだと、
そう言わんばかりに。
信玄「まったく村正を探しに行くというから、
単独行動を許したのに、
村正だけ戻ってきて、
お前はいつまでたっても、
帰ってこないから、
何事かと思ったら・・・
こんなかわいい天女と一人お楽しみか?幸」
幸村を窘めるように、
からかうように信玄はそう告げる。