第24章 二匹の狼(真田幸村)※閲覧注意
幸村「げ・・・わ・・・わりい」
幸村は本日二度目となる謝罪を、
同じ相手にした。
事故とはいえ、女の胸を、
がっつりつかんでいたからだ。
幸村の脳に見てしまった裸だけでなく、
触ってしまった胸の柔らかさまで、
鮮明に刻まれていく。
幸村は慌てて村正と、
自分の身体を湖からあげると、
女の身体も湖からひきあげた。
その身体を見ないように、
視線は別の場所に向けながら・・・
幸村「うへ・・・びしょびしょじゃねえか」
幸村はすっかり濡れてしまった着物を、
気持ち悪そうに見つめていた。
そしてふと足元を見ると、
濡れた村正が走り回り首をふったためか、
女の着物も濡れていた。
幸村「あー・・・わりい」
女「いえ・・・」
幸村と女はお互い気まずそうにしていた。
幸村は女と自分の着物を乾かすために、
女に背を向けるようにして自身の着物を脱ぎ、
褌一丁になると、女の着物の横に、
脱いだ着物を干し、
枝を拾ってきて火をおこした。
焚火の火では気休めにしか、
ならないだろうが、
せめて濡れた着物を、
気持ち悪くないように乾かす程度、
風邪をひかない程度にはなるだろうと・・・