第24章 二匹の狼(真田幸村)※閲覧注意
水音の後に身体をふく布のこすれる音が、
幸村の耳に響き、
先ほどの女の裸体を鮮明に思い出させてしまい、
幸村は慌ててそれを打ち消すように頭をふる。
そんな時だった。
??「アンアン」
どこからか犬の鳴き声がして、
幸村もそして女も驚いた。
次の瞬間、
草の影から一匹の犬が飛び出してきて、
幸村にとびかかった。
とっさのことに、
幸村はたえきれず、
女を巻き込んで、
犬とともに湖にその身を落としていた。
湖にバシャンという大きな音が響いた。
幸村「ぶはぁ・・・こら村正。
危ないだろ。
おい大丈夫か?」
幸村は慌てて湖から顔を出すと、
村正と巻き込んだ女の身体を、
湖から引きあげようと、
腕を伸ばしていた。
幸村の片腕にもふもふとした感触がする。
幸村はああこれは村正だなと思った。
そして反対の腕はというと・・・
幸村が感じたことのない、
柔らかいものを感じていた。
幸村はおそるおそる、
そちらに視線をずらすと、
幸村の腕にがっつりと両胸を抱え込む形で、
湖の中で支えられる女の姿があった。
女の顔は羞恥で赤く染まっている。