第23章 翻弄する月(伊達政宗)
そんなときだった。
政宗「おい、忍。
照月みてねぇか?」
政宗が急に部屋の襖をあけた。
政宗の目には裸の忍と、
その胸に顔を押し付け、
ぺろぺろと舐める、
探していた子虎の照月の姿がうつった。
政宗「照月ここにいたのか」
政宗はにやりと笑うと照月の名を呼ぶ。
照月は主人の登場に喜んだのか、
忍に甘えるのに満足したのか、
忍の胸を舐めるのをやめ、
「ニャア」と鳴き、
今度は政宗のもとへ向かった。
政宗は照月を抱き上げる。
政宗「照月、忍の乳はうまかったか?
でもな、あれは俺の物だ。
手を出すとはいい度胸じゃねえか」
照月「にゃ?」
照月は政宗の発言に首をかしげる。
政宗「分からねえか?
お前が手を出すのは五百年はええってことだ。
・・・忍はこれから俺と用がある。
わかったらどっか行ってろ」
政宗はそういうと照月を床に下す。
照月はニャアと一鳴きすると、
そのまま忍の部屋から出て行った。