第22章 禁断の海(毛利元就)※閲覧注意
あの日、
二人の運命が、
狂ってしまったその日・・・
二人は狂う前と同じように、
他愛もない一日を、
過ごしていたように思う。
安芸の国で・・・
ただの男と、ただの姫として・・・
他愛もない一日じゃなくなったのは・・・
その夜、元就が、
彼女の閨へと忍び込んできてからだ。
いくら実の兄とは言え、
夜にほかの男が・・・
嫁に行く前の自分の閨に入ることに、
忍は戸惑ったのを覚えている。
元就は入るぞの一言も言わず、
部屋に入り込んだことも、
戸惑った原因だろう。
その戸惑いは、
次の元就の行動への反応を、
遅らせるには、
十分すぎるくらいだった。
元就にこんな夜に、
何の用事かと、
そう問いかける前に、
彼の大きな手が、
忍の唇を覆うと、
その小さな体を、
褥の上に無遠慮に押し倒した。