第18章 交換留学?SIDE安土(光秀の章)
光秀「・・・しょうのない小娘だな。
ここまで頭が足りぬ阿保だとは・・・
残念だがその選択肢はさせてやれん。
産みたいというならば、
俺と婚姻を結べ。忍」
光秀はそんな彼女の気持ちに気づき、
忍の言葉を一蹴するかのように、
忍に向かい言い放った。
忍「え・・・」
光秀「え・・・ではない。
言っておくが、
お前の腹に宿るややは、
お前の考えているより、
ずっと重いものだ。
政のかかわる・・・な?
男児ならば、
明智の跡取りになる可能性がある。
そんな子を勝手に産んで、
育てられるわけはなかろう。
お前にできる選択肢は、
ややをおろすか、
俺の妻となり産むかだけだ」
嘘は言ってはいない。
明智の・・・自分の血をひく子を、
黙って隠して産んで、
ましてや育てるなど不可能だろうと。
だがそれ以上に光秀は、
その選択を忍に、
してほしくはなかったのだ。
明智のではなく、
一人の男として・・・
忍「でもそれじゃ光秀さんに迷惑が」
光秀「先ほども言ったが、
俺のまいた種だ。
責任くらいは取らせろ」
光秀は忍をじっと見ていた。
忍の強がりを殺すように、
彼女の本当にほしいことを言わすために。
それは・・・あの夜のように・・・
俺を求めろ。
光秀は忍に目だけでそう語っていた。