第18章 交換留学?SIDE安土(光秀の章)
その後、
光秀はその忍を見つけ声をかけた。
光秀「おい」
忍「光秀・・・さ・・・」
光秀「聞いたぞ。
子ができたそうだな?」
忍「ごめんなさい・・・」
忍は光秀に声をかけられ、
驚いた顔をするが、
すぐに怯えや不安をにじませ、
か細い声で謝罪を述べる。
光秀「何を謝る。こうなる可能性を忘れて、
お前のほとに遠慮なしに、
子種を注いだ俺の不始末だ。
お前が謝ることではない。
ところでお前。
その腹のややをどうするつもりだ?」
忍「え?」
光秀「え?ではないだろう。
腹に宿ってそれで終わり、
とはいかんだろう?
俺の不始末だ。
産みたくないというならば、
お前の身体にできるだけ、
負担のかからぬ方法で、
そのややはおろさせてやるが?」
光秀は忍に問いかけていた。
孕んで終わりではない、
むしろこの後が重要だと。
産むにしろ産まないにしろ、
負担をかかえるのは、
自分ではなく忍の方だ。
だからこそできるだけ彼女が、
負担をかけない道を選ばせてやりたかった。
だが次の瞬間、
忍から飛び出した言葉に、
光秀は目を見開いた。
忍「!!あの・・・
光秀さんには迷惑かけません。
絶対一人で育てて見せます。
だからこの子は奪わないでください」
忍は身寄りのない身分で、
二人分の命を抱えて生きることは、
難しいとは分かってはいたが、
光秀に迷惑をかけたくなかったため、
そんな強がりを言っていた。