第18章 交換留学?SIDE安土(光秀の章)
忍「・・・光秀さん」
光秀「どうした?」
忍「本当は怖かったんです・・・
子なんていらないって、
言われるのが・・・
光秀さんに拒絶されるのが・・・
おろしたくない・・・産みたいの・・・
だから・・・だから・・・」
忍は身体を震わせ涙を流していた。
忍だって分かってはいた。
本当は腹の子に父親もいることも・・・
自分にも光秀がいなければだめなことも・・・
だが子ができた時に真っ先に思ったことは、
光秀にもし知られて、
子や自分を拒絶されたら?という不安だった。
いらないと言われるくらいなら、
自分で諦めて背負い込んでしまえばそれでいいと。
だが光秀はそんな自分の強がりさえ見抜き、
一蹴して子も自分も、
受け入れようとしてくれていると・・・
光秀は笑みを浮かべるとその身体を抱きしめる。
光秀の言葉や行動に迷いはなかった。
光秀「それがお前の答えか・・・
いいだろう。
これからは腹の子ごと、
お前を愛してやろう。
今一度言う。
俺と婚姻を結べ。忍」
忍「・・・はい」
光秀の言葉に忍は泣きながら、
しかし幸せそうに笑うのだった。
光秀も珍しく穏やかな笑みを浮かべると、
忍のお腹の部分、
自分と彼女のややがいる場所に、
手を置き優しくなでたのだった。
おしまい