第2章 男嫌いと女嫌い?(上杉謙信)
忍「信じてもらえないなら、
あなたに見せましょう。
私の覚悟を」
忍はそういうと、
自分で帯を緩める。
しゅるりという音があたりに響く。
謙信「!!お前何を」
忍「女の覚悟を見せるには、
これが一番だと・・・
城の者が・・・」
謙信「(おい誰だ。この娘に、
そんないらぬこと教えた阿呆は!!)」
忍「だから・・・私も覚悟を・・・」
そういった忍は、
声をふるわせ、
着物を握りしめていた。
謙信は自分の羽織を脱ぎ、
忍の頭にかけた。
謙信「・・・男を知らん生娘が、
よもや覚悟などとよく言えたものだ」
忍「!!なぜ」
それをと言いかけ顔をあげた瞬間、
謙信の色違いの冷たい瞳と目が合い、
忍はあわてて視線をさげる。
謙信「女を遠ざけていた身でもわかる。
お前はそもそも、
男を知らぬだろうことぐらいな」
謙信はそう言いながらため息をついていた。