第2章 男嫌いと女嫌い?(上杉謙信)
忍「待って」
忍の謙信の袖をつかんだ。
謙信「離せ」
忍「離しません」
謙信「何が望みだ」
忍「謙信様、私を利用してください」
謙信「なんだと?」
忍「私をあなたの、
仮初の妻にしていただきたい」
謙信「お前その意味が分かっているのか?
俺に近づくと」
忍「分かっています。
だからこそあなたの妻になりたい」
謙信「お前」
忍「どのみち断っても私のところのも、
あなたのもこのまま、
おとなしくはしてはいないでしょう。
私とあなたで婚姻を結んでいた方が、
合理的だとは思いませんか?
婚儀さえ結んでいれば、
彼らも何も言わないでしょう。
私はこんなくだらない婚儀を結ぶくらいなら、
死んだ方がマシだと思った。
あなたのその呪いは私にはうってつけ。
まあ身近な人間の死を恐れる、
あなたには酷だろうけど。
軍神として多くの命を、
奪ってきたあなたにとって、
私一人の女の命など軽いものでしょう?」
謙信「お前・・・この俺を利用する気か?」
謙信は忍を睨みつける。