第14章 交換留学?SIDE安土(蘭丸の章)
しばらくして、
忍「ん・・・?」
忍は目を覚ましていた。
忍が見たのは、
自分の自室のいつもの風景ではなく、
知らない古い埃っぽい小屋だった。
蘭丸「あ、起きた?」
忍「蘭丸君!!ど・・・」
蘭丸に大声をあげようとした忍の口を、
蘭丸が手でふさいだ。
自分と忍以外は誰もいないとはいえ、
誰かに見られでもしたら面倒だからだ。
蘭丸「しっ・・・静かにして」
忍は口をふさがれ、
苦しみにその顔をゆがませながら、
黙って首を縦にふった。
蘭丸はほっとしてその手を離した。
忍「蘭丸君どうして・・・」
忍は、
今度は蘭丸にしか聞こえないような、
小さい声で蘭丸にそう尋ねた。
蘭丸「ごめん、
どうしても君と二人で話がしたかったから」
忍「だからって・・・こんな」
蘭丸「ごめんね。
信長様たちに知られるわけにはいかないんだ」
蘭丸はそう忍につぶやく。