第14章 交換留学?SIDE安土(蘭丸の章)
忍「ねえ・・・蘭丸君・・・
やっぱりあなたは、
あの蘭丸君なんだよね・・・?」
蘭丸「どの蘭丸かは知らないけど、
君の想像している蘭丸であってるよ」
蘭丸は静かにそう告げる。
忍「なんで安土に・・・?
蘭丸君は顕如さんの・・・」
蘭丸「その顕如様の命令なんだ」
忍「顕如さんの・・・?なんで・・・」
蘭丸「忍様・・・いや、
忍は何も知らないんだね」
蘭丸は忍を様付けするのをやめ、
知り合いのようにしゃべる。
(実際、知り合いであるのは間違いないのだが・・・)
蘭丸の口から出た顕如という男と、
忍の上司である武田信玄は、
古い友の間柄であるため、
彼らとかかわりのある蘭丸と、忍も、
彼らほど親しくはないが、
関わりがなかったわけではない。
だからこそ忍には不思議でしかなかったのだ。
あんなに顕如を慕い、彼のそばにいた蘭丸が、
顕如のもとを離れ、安土にいることが、
しかもそれが顕如の命令であることが・・・
蘭丸「・・・ごめん。君を巻き込んで」
蘭丸はそういうと無理やり忍に口づけた。