第11章 500年前の俺と500年後のお前?(真田幸村)
忍「舞さんは・・・」
幸村「ちゃんと別れを告げた。
舞も分かったって言ってた。
まあ後は佐助に任せてきた。
舞を慰めるのは俺の役目じゃねえからな」
舞をあんな形でふった自分が、
舞の隣を選ばなかった自分が、
舞のそばにいてはいけない。
そう思ったから・・・
忍「幸村の役目って?」
幸村「それ聞くのか?
お前をドロドロに甘やかして、
俺のモンにする」
忍「―――っ」
幸村が見せた本気の雄の瞳に、
忍は唖然とする。
忍だって幸村を本気で好きだった。
だからこそ幼馴染という言葉を言い訳にしていた。
大好きな人に好きな人がいるなら、
それを素直に応援していればいいと。
自分には幼馴染という肩書きがあるのだから、
恋人に慣れなくても側にいることぐらいは、
恋人ほどでなくても許されるだろうと。
だが今、自分と幸村は・・・
幼馴染というお互いに引いていた一線を・・・
越えてはいけない最後の砦を、
越えようとしているのだと・・・
もう後戻りはできなかった。