第11章 500年前の俺と500年後のお前?(真田幸村)
幸村「よう」
忍「ゆ・・・幸村!?」
幸村「何驚いてんだよ」
忍「だ・・・だって急に」
幸村「何が急だ。あとでくるって、
さっき言ったろ」
忍「そう・・・だけど・・・」
本当に本気なの?そう言いたいかのように、
忍は幸村をじっと見る。
幸村は忍の後頭部に手を回すと、
その唇を奪った。
忍「なんで・・・」
幸村「したくなったから」
幸村は忍にしれっと答える。
忍「舞さん・・・にもしたの?」
幸村「ん・・・まあな」
忍「・・・っ」
幸村「嘘だよ。してねえ。
こんなことすんのお前だけだ」
忍「え・・・」
幸村「気持ちに気づいたのはさっきだけどよ。
今思えば最初から舞をそういう対象として、
好きだったわけじゃなかったんだな。俺」
ただ舞がほかの女と違うから物珍しくて、
友人としての好きでしかなかったのに、
勘違いをしていただけだったのだと、
幸村は今更ながら痛感していた。
自分の勘違いのせいで、
二人の女と一人の友人を、
ずいぶんと傷つけてしまったと・・・