第11章 500年前の俺と500年後のお前?(真田幸村)
舞「ずっと気づいてた。
幸村が本当は誰を好きなのか。
でも私は幸村が好きだから。
・・・気づかないでと・・・
私を好きでいてと幸村を縛っちゃった。
だけど・・・幸村が気づいちゃったなら・・・
気づいて私より忍さんを選ぶなら・・・
幸村を私から解放することしかないじゃない。
ずるいよ・・・幸村」
舞は泣きながら幸村にそういう。
本当は行かないでほしかった。
忍(ほかの女の子)のところなんて、
行かないでほしかった・・・
自分の隣でずっといて欲しかった。
でも・・・それを告げることは、
幸村に迷惑になってしまう。
大好きな人に嫌われてしまう。
舞はそう感じていた。
なら好きな人の好きだった女のまま、
自分は潔く身を引くしかないと・・・
幸村「悪い」
幸村は泣く舞を気まずそうに見て、
涙をぬぐおうと手を出したが、
その手は涙をぬぐうことなく、
ひっこめられられる。
そのまま幸村は背を向けると、
一度も舞の方を見ることなく、
舞の部屋から出て行った。
舞の押し殺した泣き声が部屋に響くのだった。