第4章 けんけんがくがく
泥濘(ぬかるみ)の酷いところを避けて進んでいくと、珍しく童っぱに囲まれた佐助が跳び跳ねているではないか。
ピチャッ、ピチャッ、ピチャッ。
ピチャッ、ピチャッ、ピチャッ。
「…………何をしている」
「あ、謙信さま」
ピチャッ、ピチャッ、ピチャッ。
「佐助がいた時代の、子供の遊びらしいですよ、謙信さま」
傍らにいる幸村が口を開く。
「遊び、だと?俺との鍛練を逃げ回ってか」
「謙信さま。遊びと侮るなかれ」
ピチャッ、ピチャッ、ピチャッ。
ピチャッ、ピチャッ、ピチャッ。
「寄るな。泥が跳ねる」
ピチャッ、ピチャッ、ピチャッ。
ピチャッ、ピチャッ、ピチャッ。
「寄るなと」
「はい、終わり。これで規則は分かったと思う。あとは君たち次第だ」
「はーい!」