第9章 ○気付いた気持ち
俺たちの視線の先に居たのは、尻を丸出しにして腰を振っている男とソフィアの脚を抱えている気の弱そうな男だった。
気の弱そうな男はこちらを向いていたためすぐに俺たちの姿を見つけたようだ。
俺たちを見た瞬間、顔を蒼白く染め、ガタガタと震え始めた。
「お、おい、ラルフ…、後ろ…!」
「うるせぇ、なぁ…!今イイとこなんだから、ちょっと黙ってろよっ…!」
エルヴィンはそんな二人の元にズンズンと近付いていき、汚ねぇ喘ぎ声を上げている男の肩に手を置き声をかけた。
「随分と楽しそうだな。」
すると、漸く腰の動きを止めた男はゆっくりと振り返る。
その瞬間、ヒィっ…!と短く悲鳴を上げた。
アランは抱えられているソフィアの身体を男から引き剥がし直ぐにジャケットとシャツを掛けてやり、必死にソフィアの名前を呼び続けている。