第9章 ○気付いた気持ち
「お、おい。本当にこんな事して大丈夫なのかよ。」
「大丈夫だっつってんだろ。お互い気持ち良くなるんだ、悪い話じゃねぇよな、ソフィアちゃん?」
頬をパチパチと叩かれ、沈んでいた意識が浮上してくる。ゆっくりと重たい瞼を起こすと、そこには真っ暗な闇が広がっていた。
ここはどこ?
何も見えない。
目隠しされてるの?
「んんぅ!」
「あー、無駄無駄。声は聞きたかったけど、叫ばれたら面倒だから、縛らせてもらったよ。」
「……!?」
どうやら布のようなものを咥えさせられているらしい。大声を上げてもくぐもった声しか出せない。
声も視界も奪われた状態にとてつもない不安が襲ってくる。
そもそもどうしてこんな状況になったのか。
動揺している頭をフル回転させ考える。
私は確か花を買いに行ったはず。
そして、兵舎に戻ってきてアランの元へ帰る途中だった。