第8章 壁外調査
「おい、ソフィア。お熱くするのは勝手だが、ここは壁外だということを忘れるな。」
「…すみません。」
「謝る必要はない。それよりも、一刻も早く壁の中へ戻ることを考えろ。」
「…はい。」
次に、リヴァイはアランへと視線を移す。
「おいお前、アランと言ったな?」
「はっ。」
「お前、肋、折れてるだろ。本当は意識を保つのでさえ辛いはずだ。」
「いえ、そんなことは…。」
「嘘をつくな。巨人に握られたんだぞ。普通の奴なら死んでてもおかしくない。」
「………。」
「馬に乗ってても辛いだけだ。お前は荷馬車に乗せていく。それまでは俺の馬に乗れ。かなりの痛みは伴うが、我慢しろ。」
「はい。」
「ソフィア、急いで運搬班に知らせて来い。荷馬車が必要だと。」
「はっ!」
リヴァイに命令されたソフィアはアランの元にそっと近づく。
「すぐに呼んでくるから。それまで待ってて。」
「あぁ、早めに頼む。…情けないが、リヴァイ兵長の言う通りかなり辛くてな。」
「分かった。リヴァイ兵長、アランを頼みます。」
そう言うと、ソフィアは馬を全速力で走らせて、あっという間に遠ざかっていった。