第8章 壁外調査
巨人が通り過ぎる瞬間、その足首にアンカーを刺し込み一気に接近する。
刃を引き抜き、自身の体を回転させながら足首の肉を切り落とす。
すると、巨人の体が傾いた。
自身の体が地面に落ちる寸前に、再び巨人の頸にアンカーを刺し込み外套を揺らしながら距離を縮める。
最後に急所である頸をしなる刃で切り落とせば、巨人の体が蒸発し始めた。
「…熱っ。」
巨人から急いで身体を離し、蒸発する様をじっと見ていると
後ろからペトラ達がエポニーヌを引いて走ってくるのが見える。
「すごいわ、ソフィア!あんなにあっさり奇行種を倒すなんて!」
「これで討伐数一体。まぁ、褒めてやるよ。」
「ありがとうございます。」
「オルオ、その上から目線でやめて。でも、ほんとにすごいわ、ソフィア。さぁ、早く馬に乗って!」
「はい。」
エポニーヌの背中に跨り、手綱を握る。
その時、ふとリヴァイと目線がかち合う。
「…兵長。」
「ソフィア、よくやった。このまま目的地へ向かうぞ。」
「…はい。」
仇である巨人をこの手で仕留めた。
普通なら喜ぶべきことなのに、なんだか胸糞悪い気分だった。