第8章 壁外調査
「…空が、大きい。」
市街地を抜けたソフィアは自分の視界いっぱいに続く青空を見上げる。
その日の空は、雲ひとつなく、澄んだ水色だった。
「ソフィア!ボーッとするな!集中しろ!」
「は、はい!」
オルオの声で意識が引き戻される。
真っ直ぐ前を見て進んでいくと、エルヴィン団長が右手をバッと水平に差し出した。
「長距離索敵陣形!!展開!!」
その声を合図に、兵士達が別々の方向へと散らばる。
ソフィアはリヴァイの後に着いて行き、右斜め前へと進んでいく。
「ソフィア、お前は俺と並走しろ。」
「了解です。」
馬の腹を蹴り、リヴァイに追いついたところで一定のスピードを保つ。
すると、ドッドッドッドッと大きな物音が聞こえてきた。
巨人だ。
ソフィアはすぐさまリヴァイと顔を見合わせ頷くと、赤の信煙弾を上空に向かって発射した。